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ラジオ

星野源さんのNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」主題歌『アイデア』の音楽や歌詞について触れたオールナイトニッポン 書き起こし

星野源さんがNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」の主題歌で、配信曲『アイデア』の音楽や歌詞についてニッポン放送「星野源のオールナイトニッポン」で語った箇所を書き起こしました。(2018年8月21日放送分)。

 

さぁ、来ました。わたくし、星野源・・・初めての配信限定曲。もうね、怒涛のように物語が駆け巡って、ものすごい(たくさんの)人が見ている朝の連続テレビ小説「半分、青い。」の主題歌・・・ね。『アイデア』という曲をわたくし星野源、書かせていただきまして。もうね、何ヶ月もその1番というかね、テレビサイズはですね、ずーっと昔から流れていますが、ついにフルバージョンが発売になりました!(パチパチパチと拍手。ファンファーレ)ありがとうございます!ね。もう何度も言ってすいませんが、また言ってもいいですか?(オープニングトークでも触れていた)配信サイト、軒並み1位を獲得、ありがとうございます!(パチパチパチと拍手。ファンファーレ)そして、オリコンさんが発表したですね、配信曲、単曲でのですね、歴代での1日のダウンロード数・・・1番いただきました、ありがとうございます!(パチパチパチと拍手。ファンファーレ)すごい!ものすごく嬉しいです。本当に皆さん、ダウンロードしていただき、本当にありがとうございます!嬉しいっ!ね。今回はCDという形ではないので・・・まぁね、その理由は、もうちょっと後でまた言うことにはなるとは思うんですが・・・

あ、そうだ。でもね、CD-Rという(笑)・・・YELLOW PASSという半分・・・半分、ファンクラブみたいなものが僕にはあるんですけど、その中にいる人だけが手に入れられるCDのようなもの・・・今回は配信限定ではあるんですが、音源の入ってない、音源以外のCDの部分が全部500円で販売されるという・・・そういう形はありますが、CDは発売はせず、音源だけというチャレンジ、新しい宣伝方法というかですね・・・そういうものを一から、みんなで話し合ってですね、こういうこととやりたいね、こういうことやろうなんて話しながら、一からですね、チーム総出でですね、計画を立て、こういうの面白いねなんて言いながら作り上げていったものがですね、とってもとっても大好評で、本当に嬉しいです。みなさん、手に入れていただき、本当にありがとうございます。メールもたくさん届いております。ありがとう。

(メール数通紹介。皆とともに聴くという今までにない感覚を味わえた。)

ってことで、ありがとうございます!嬉しいねぇ・・・。そうなんです。今回は初めての配信限定リリースということで・・・今まで、やっていなかった・・・今までね、CDだとね・・・いつも前からラジオ解禁して、フルでね、解禁して、どんどんリクエストしてねーなんて言って・・・みんなにもう曲を知ってもらって、先にミュージックビデオも出して、曲をもう十分知ってもらってるという状態でシングルCDをリリースすることが多かった・・・というか、それしかやってなかった・・・それがね、いわゆるシングルCDっていうものを皆さんに1番広く手にとっていただける、1番の方法ということになっていて。それをやってきたんですけど、今回はそうではないので、一斉に何か聞くっていうのをちょっと始めたいな・・・特に、しかも、1番最初に自分が普段聴いている音楽環境で聴いてほしいという・・・。それが特にファンのみんなは別々の場所にいるんだけど、何か一斉に聴くっていうの、何か、みんなが繋がるような感覚になるんじゃないかな、それはCDを買うということではできない体験なのではないか、配信だけでできる面白さみたいなものなのではないのか・・・ということで、そういう販売、あとは宣伝ですね、プロモーションにさせていただきました。なのでね、こういうふうに言っていただけると、とても嬉しいです。ありがとう。

(メール数通紹介。今まではCDを周囲の人に配っていたが、今回は難しい。何かできることはないか?)

嬉しいですね、これ。いろんな人に薦めたいみたいな・・・。そうだね、確かにCDだと自分で買って、あげたりできるけど・・・。でもね、配信はね、確かギフトの機能があったと思うよ。メールとかで送れるの。自分で買って、それをその人のメールとかを知ってると、その人にこう・・・その人がダウンロードできるようになるという・・・そのURLを開いて。配信サイトによっては、だから・・・あれだよね、LINE MUSICの単曲配信もやってるもんね。それ、多分、LINEにも送れたりするんじゃないかなとか思います。

(ささやくように、エコー付きで)いいんですよ、いっぱい買っていいんですよっ・・・!!

ありがとうございます。うふふっ・・・(笑)違うのよ・・・もうね、昨日から繋がってるから、テンションが、テンションが僕、高いんです、今(笑)。何っつーの、ずっと深夜テンションみたいな状態で、ここ数日・・・おげんさんの前の日とかもね、ミュージックビデオのやりとりとかでワーッとなってたんで。あと「おげんさん」のリハとかもいろいろあったんで、もうね・・・で、今日はちょっと・・・その、また別の仕事で大声を出す仕事をちょっとしてきたので、こう、結構ね、昨日の打ち上げの流れみたいな感じが・・・(笑)・・・あるので、あれなんですが・・・

そんな感じで、たくさんね、メールありがとうございました。ではですね、まず曲をちょっと聞いていただいてから、自分の話をちょっとしていこうかなと思います。先日、8月20日、配信限定にてリリースされました。もうね、皆さん、今すぐにでも買えます。星野源の最新楽曲、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」の主題歌です。皆さん、是非ね、でかいボリュームで、ご自身の環境で聴いてください。星野源『アイデア』

>>星野源『アイデア』特設サイト
(歌詞や、源さんのコメント、高橋芳朗さんのコラムなどが掲載されています。)

 

ありがとう。お送りしたのは星野源の新曲です。『アイデア』、でした。メール、来ております。

(メール数通紹介。TVサイズの『アイデア』とフルバージョンの『アイデア』とで、歌いまわしが少しずつ違う気がするが、録り直しされたのか?)

ありがとうございます。質問もいただいております。さぁ・・・じゃあ、この曲、『アイデア』の話をじっくりしていこうと思います。

ちょっとお話をする前に1個、ちょっと話したいなぁと思うのは・・・僕自身、基本的にですね、音楽を聴くときに、解説っていらないものだと個人的には思っています。音楽はやっぱり音で聞いて、歌詞を読んだり、歌詞を聴いて、自分で感じればいいことではあるので、もちろん、どう感じてもらっても構いませんし、僕が意図したことと違うことを感じてもらう・・・そういう幅というか、そういうものを持った音楽というものをいつも作りたいと思っていて。あなたのものにその曲がなってくれたら1番嬉しいと僕は思っているし。この世の音楽がね、難しく語ることがニュートラルであるとは全然僕は思っていないんですが・・・たとえば何か僕が1つのことを話したことで・・・

だから、全然、解説なんて聞きたくないわ、曲で充分という人は聞かなくて大丈夫です。

えー・・・でも、何ていうかな・・・この国の音楽へのリテラシーっていうものは、ちょっとね、極端に偏っていると僕はすごく思っていて。だから、何ていうんだろう・・・僕が聴いている音楽の聴き方とか音楽の作り方というものでですね・・・あとは海外というものの音楽の聴き方とか聴かれ方というものと差が結構ある気がしていて・・・。僕と海外は一緒と思ってるわけじゃないんだけど・・・そこも全然違うんだけど・・・。僕が少し何かを話すということで、聴いているあなたの音楽の聴き方だったり、楽しみ方みたいなものが1つでも増えるならば、僕は自分の作った音楽の話を全然しますので。何か、そういうことを知りたいと少しでも思ってくれたり・・・でも、こういう1つの曲のこういうふうに作ったんだという話って、違う僕じゃないアーティストの、もしかしたらこの人もこういう気持ち作ってるのかもとか、もしかしてここでこうなってるってことは、こういうふうに作ったんじゃないかとか、いろんなふうに考えて、また音楽というものがですね、もっと身近に感じたり、楽しめるようになるような気がするので、そういうのが大丈夫な人は是非、この後の話を聞いていただければと思います。

・・・と言っても・・・(笑)・・・あのですね・・・ちょっと話そうと思えば話せることがですね、多すぎるんですよ、この曲(笑)。だから、あと10分くらいで収めたいものなんですけど・・・収まるかな?(笑)おげんさんで40分ぐらい喋ったので(笑)あははは(笑いながらバンバンバンと机を叩く)、もしかしてミュージックビデオの話ができるかがちょっと分からなくなってきました。でも、ちょっとね、普通にね…何も考えないで喋ってみようかと思います。

そうだなぁ、どっから話していこうかな・・・。

えーっと、一番最初に、いわゆるね、ホントにもう誰しもが知ってる朝ドラというもの、今回は「半分、青い。」というタイトルの作品の主題歌をやってくださいというふうにオファーをいただきまして、是非やらせていただきますということで、1番最初に曲を作ったのは去年の11月ぐらいだったと思います。なので、(ドラマ)「コウノドリ」の撮影をしている間だったと思います。そのころ、『ドラえもん』とかも並行して作ってたんですけど。先に『アイデア』のですね、テレビサイズの方が曲だったりメロディーだったりっていうものができました。その中で・・・その後に、『ドラえもん』というものがですね、もっと年末、もっと言えば年始に入ってからしっかり作ってレコーディングしてという形で。なので、『アイデア』という曲のテレビサイズを作ってから、間に『ドラえもん』を挟んで・・・そこからですね・・・テレビサイズだけだったんです、『アイデア』。いわゆる、今みなさんがテレビで聴かれている「半分、青い。」のオープニングで聞かれている部分はあそこで終わりなんです。いわゆる、テレビサイズというものですね。なので、フルを作るとなったときに、それを、たとえば増やすというやり方もあると思うんですけど、生楽器で1番作ったので・・・TVサイズを。生楽器でやると思うと空気とかも違うので、音が変わっちゃうんですよね。それできない、増やせないので一から全部やろうということで、一から作り始めました。

で、その中で、僕が一番最初に『アイデア』というTVサイズ、一番最初に作ろうと思ったコンセプトとして・・・これね、コンセプトもね・・・いっぱいあるんですよ(笑)。

まず・・・・・これもね、もう解説なんて聞きたくないという方は全然聞かなくていいですからね。聞きたいよという人だけ聞いていただければいいと思います。

日本一有名なドラマ枠だと思うので、僕の名刺のような曲にしたかったと言うか・・・何だろうな・・・星野源ってイントロがなった瞬間に分かるみたいな・・・「これ、星野源でしょ」みたいな、そういう音楽にしたかったんですよね。なので、イントロの感じにしても、楽曲全体に関してもですね、あとは歌詞に関しても、僕がいわゆる、「YELLOW DANCER」(4thアルバム 2015年)以降、作ってきた音楽っていうものを、すごく感じるように・・・何も知らなくても星野源だなっていうふうに分かってもらえるような曲にしたいなというふうにして作りました。それを聞いて、他の曲を聞いた人がまた自然に入れるような、『アイデア』というものを、星野源を初めて聞いた人が他の楽曲を聞いたときに自然に入れるような曲というものを作りたいとまず思いました。なので、イントロの作り方とか、そういうのも含めて、自分の匂いみたいなものしっかり、しっかり出すように作りました。で、歌詞も、僕が今まで作った曲のタイトルだったり、歌詞の一部っていうものを散りばめて・・・で、もっと言えば SAKEROCKのときからの自分っていうものもしっかり折り込みたかったので、SAKEROCKのタイトル・・・僕が作った曲のタイトル『生活』(1stアルバム『LIFE CYCLE』収録 2005年)っていう言葉だったり、僕のオリジナルソロの曲のタイトル・・・『湯気』(1stシングル収録曲 2011年)とかね、いろんな歌詞のそういう部分・・・あとは何だ・・・"夢を"とか…『夢の外(夢の外へ)(3rdシングル 2012年)とかありますが、あと何だ・・・"続く"ってのは『Continues』(9thシングル収録曲 2016年)って曲を作ってあったり・・・。"すべて越えて"とかは"夫婦を超えてゆけ"の『恋』(9thシングル 2016年)の歌詞だったりとかっていう・・・何かそういうふうにして「半分、青い。」というドラマの鈴愛ちゃん…主人公のね、鈴愛ちゃんというキャラクターというものだったり、「半分、青い。」のテーマみたいなものとリンクはさせつつも、自分の歴史みたいなのをギュッと、こう入れたような曲にしたいなと思いました。

で、あと、やっぱり朝だから・・・朝ドラで1番やっぱり起きて最初に見るような、聴く音楽だなと思うんで。やっぱり"おはよう"から始めたいなと。"おはよう 世の中"という歌詞から始まるんですけど。"おはよう"っていうのも『Crazy Crazy』(7thシングル 2014年)って曲で僕、一番最初に"おはよう"って言葉から始まってるんで、それも今までの曲のエッセンスというのも入ってるし、朝ドラの1発目の音楽という・・・。皆さんにご挨拶・・・「どうも、星野源です!」みたいな(笑)・・・そういう感じ、そういうのを歌詞に織り込みました。

で、楽曲に関しては・・・朝ドラというものが・・・

・・・これは全部喋れなそうな気がしてきたぞ(笑)・・・

えーっと、朝ドラって、オープニング尺って厳密に決まってるらしいんですよ。らしいって・・・決まってるんです。月曜日が九十何秒、火曜日以降は七十何秒みたいな、全部決まってるんですけど、それって、いわゆる普通のテレビドラマのエンドとかって決まってないんですよね。たとえば「逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)(9thシングル「恋」が主題歌のドラマ 2016年)とかでも、あれは、いわゆる皆がダンスを踊るようなあれだったけど、曲に合わせてエンディングを作ってくれてるので、特に幅がないわけです。(10thシングル、ドラマ『過保護のカホコ』主題歌 2017年)『Family Song』も、いわゆるエンディングタイトルみたいなのなかったけど、お芝居中にもう流れてくるみたいな・・・だから制限はなかったんですけど、(朝ドラは)そこで終わらせないといけないという規定があったので、多分そこにAメロBメロサビって入れると大体同じテンポになるんですよね。だから、他のはいろいろな方が書かれている明日ならに行くというのはだいたい同じくらいのテンポになるんですよね、それはもう普通にポップスってものを作ろうとして、AとB、そしてサビというもの作ろうとしてだいたい同じになってしまうということだったので、イントロもアウトロもしっかり入れて、AメロもBメロもサビもやろうってことで考えると、あのテンポに、この早いテンポになるんです。早いなと思いながらも(笑)・・・でも、そこですごく自分にとって助かったのは「半分、青い。」という作品そのものが朝ドラというものを、いろんな意味を壊したり、再構築するような、そういう・・・すごくアバンギャルドな脚本だなと最初から見て・・・生まれないんだ!みたいな・・・主人公、生まれてこないんだ!?みたいな・・・そういうところから入ってるんで、それはすごい勇気になって、やらせてもらおうということで、あのぐらいの速さになりました。

さらにもう一個、一番最初のテーマとしては、アニソンみたいな曲にしたいという・・・そういう、朝からアニソンくらいのキャッチーさのものがポンッと来るという・・・。サビで何か・・・何か、アニメって大体サビで走るじゃない(笑)。何て言えばいいの?アニメのオープニングとかエンディングでノリのいいほうの曲って、大体サビで登場人物がみんな走るんだけど・・・その感じをやりたいという。そしたら見事に、スローでしたけど、鈴愛ちゃん、走ってて(笑)。やっぱ走ってる!と思って(笑)。それは何か伝わったのかなって。それもちょっと面白かったですけど。

もう一個、テーマとしては、僕がすごく好きで、2017年・・・その前からちょこちょこ聴いて、2017年、特に聴いていたビートミュージック・・・フューチャーベースだったり、そういう・・・通常はエレクトリックな機材を使って作るような楽曲・・・特にチキチキチキチキ・・・って、すごくハイハットが速く鳴ってるビート・・・そういう音楽のジャンルをですね、生演奏でできないかなというのも一番最初の発想の一つでした。でも、そういうふうにして・・・今、なごりで残ってるのはチキチキチキチキ・・・って残ってるんですけど、タンバリンで、すごく早くカースケさん(ドラム担当 河村"カースケ"智康)がやってくれてて。そういう中でJ-POPってものを、自分が思うアニソン的なものを、そして、今までの自分の音楽の集合体を全部ギュッてするとあのオープニングになると・・・オープニングのね、テレビサイズの部分になるという・・・それでできました。

で、その中でドラえもんというものをリリースして『ドラえもん』は・・・『ドラえもん』でものすごく遊んだんです。遊んだーみたいな、遊ばせていただいたーみたいな感じでですね。『ドラえもん』終わってから、 『アイデア』の作業にフルに戻ろうと思ったときに、何かねぇ・・・すごく・・・違うなと思ったんです。全然ワクワクしないなと思って。で、何でかというと僕・・・その2017年が結構実は塞ぎ込んでいまして・・・すごく落ち込んでいたんですよね。落ち込んでる時に落ち込んでるって言いたくないじゃないですか(笑)。言いたくないじゃないですか、てか・・・やっぱり、楽しくはありたいので・・・そういうのあんまり言ってなかったですけど。いろんな自分の環境が変わったり、いろんなことがあったりして、すごく辛い一年だったんですよね。

その中で、そんなんじゃあかんと。体調も悪い・・・すんげー悪かったけど、「無理しない」みたいなテーマをね、掲げてたと思うんだけど、それいかんと。無理しないじゃないと。攻めると。休むんだったら俺は休むんだと思って休むみたいな。仕事するときは俺は仕事するぞーっつって集中してやるみたいな。能動的にやるって決めてから『ドラえもん』を作ったんですよね。その作業がすごく楽しかったんで・・・。それを経て、『アイデア』というものを・・・その2017年の末に作った『アイデア』を振り返ってみて、『さー、こっからフルを作るぞ』と思った時に、ものすごーく過去のものを見てる感じがしてしまったんですよね。実際、やっぱり僕の今までを詰め込んでるから、当たり前に過去なんですよね(笑)。これをこのままフルで、そのまんま作ることは僕はできないと思ってしまって。面白くないと思ってしまって・・・。じゃあ、今やりたいことをやろうと思ったんだけど、何ていうか・・・テレビで流れているものをガラッと変えちゃうみたいなことはしたくなかったんですよね。それってすごく簡単なことだし、逃げだと思うので。そうじゃなくて、今ある部分はそのままにして、どうにか、今、自分がもっと未来に作りたい音楽になれないかっていうのを死ぬほど考えまして・・・。その中で、今、自分がやりたいと思っている音、それを2番からやるというのはどうだろうかと。で、1番の歌詞、1番の音楽も含め、(それ)が、これまでの自分だったら、2番からこれからの自分というコンセプトの曲にしようと。で、それで、今、僕が、自分がやりたい音楽というものをビートをしっかり変えて、演奏も生楽器ではなくアナログシンセサイザーにして、ビートもですね、STUTS君・・・ね、昨日も出てくれたけど(星野源さんの冠音楽番組「おげんさんといっしょ」)、STUTS君がビートメイカーではなくMPCプレイヤーとして、ドラマーとして参加してもらったので、今回も(11thシングル「ドラえもん」収録曲『The Shower』にMPCプレイヤーとして参加)。いっしょにですね、2番を全く違うアレンジしようということで、していきました。その中で、ビートはですね、STUTS君にこういうふうにお願いしますって、またこうもらって、もっとこうしてっていうのをずっとやりとりして・・・すっごく楽しかったんですよね。アナログシンセも本澤さん(本澤なおゆき)という人に、僕も一緒に弾いたり、こういうふうに弾きましょうって一緒に作っていって・・・そういうふうにして2番ができていきました。でも、その中で生楽器ってものもやっぱり足したいということで、ギターの亮ちゃん(長岡亮介)、そして、まったく・・・ほぼまったく同じストリングスが流れているという・・・一番と二番で。そういう仕様にしました。

で、なんかね・・・ひとつ思ったのは、やっぱり、ただ音楽性を急に変えるって・・・何て言うんだろう・・・こう、何だろうな、猫だましじゃないけど・・・何て言えばいいんだろうね・・・奇抜なことをただしたいだけっていうふうになるのがすごく嫌で。そういうアレンジにしようというふうに踏み切ることができなかったんですよね、そういう作業に入る前に。どうしたらいいんだろうと思った時に、1番・・・改めて1番の歌詞を見た時に、なんかね、ものすごくパブリックの僕だなと思ったんですよ。いわゆる音楽番組で「こんばんは、星野源でーす!」って言っている感じ。何かこう・・・切ない歌詞とかはあるけれど、基本的には何かを乗り越えていこう、前向きなことを皆様にお届けしているという自分の感じがするなぁと思ったので。で、それは僕の陽の部分と言うか・・・僕がずっとやりたかったことであって、すごく楽しくて充実感のある、とても素晴らしい場所だと思うんですけど。陽の場所っていうのは。そこで出会う人たちのおもしろさみたいなものも、すごく感じるし。で、その中で、そういうところで、ずーっと笑顔でいると、その笑顔ね・・・ここは大事にしたいんですけど、それ、嘘じゃなくて、本当の笑顔なんだけど、同時に陰の自分っていうのがどんどんどんどん膨らんでいった2017年だったんですよ。それはあまり表には出してなかったけど、家の中でのずーーーっとものすごく暗黒のものが、ぐうぅぅぅって膨れ上がっていくものがあって。そうかと・・・1番は陽で、2番は陰の自分なんだということにしたら、音を変える必然性が生まれると思って。

僕は2017年、すごく好きで聞いていた音楽というのが、ビートミュージックだったりしたっていうのが・・・KAYTRANADAとかFrancis And The Lightsとか・・・

 

 

そういうエレクトリックな音で、内省的なんだけど、すごくポップで、でも、すごく孤独感があって・・・でも、そういう孤独感のある音楽が世界中でみんなが聞いているみたいな・・・。そういう音楽っていうものに対して、個人的なものが、みんなで楽しんでいる・・・Chance The Rapperもそうですけど、トラップだったりとかもそうですけど、そういうサウンドっていうものに自分がすごく励まされてたんです。

 

その孤独感だったり、そういうものに呼応したと言うか・・・それですごく癒されていたりしたので、そういうふうにして今やりたい自分のサウンドっていうものをジャンルとして、こういうジャンルがやりたいということではないんだけど、そういうサウンドを使って自分の音楽をやるってことがやりたいのだとなったときに、自分の陰の部分を2番以降で表現するとしたら、これはできるぞと。

で、もう一つ考えたのが、2番以降・・・3番というか、大サビみたいなとこですね。"闇の中から"っていうとこですね。そこが、そのまま普通にバンド演奏に戻ると、それこそ、また、そういうふうに陽と陰ってなっても、なんか普通だなーって感じがしちゃうので、あーっと思って・・・弾き語りやろうと思って・・・それは僕の原点であって、一人で家で作ってたときの、あの感じってものをここでやったら、本当に僕のいろんなものが混じって、いろんな自分の音楽性ってものを踏まえてるんだけど、含んでるんだけど、壊して、それを再構築して、全部未来に持っていくみたいな曲にできるんじゃないかということで弾き語りというものを挟んで・・・その後、もっとテンション高い1番のバンドがオラーッって感じでくるという(笑)。それで、なんだろうな・・・改めて、新鮮な気持ちで1番の演奏をまたやるっていう。それで未来に一緒に向かって行こうっていう、そういう音楽っていうものを作りたいと思って、一生懸命作りました。そういうものができたと思っております。

で、最後の最後に銅鑼でバーンッ!!みたいな、爆発オチみたいな(笑)・・・そういうのをずっとやってみたかったんですよ。銅鑼でドカーン!!みたいな・・・そういうのを今回できるんじゃないかなぁと思って。そしたら今回できました。すごく、ホントに充実感があって・・・、前に放送で何ヶ月もかかった曲ができたんだよって言った時があったと思う(2018年7月3日放送の星野源のオールナイトニッポンにてその旨発言)。それがこれの『アイデア』が完成したときなんだけど・・・本当に僕の中ではとても思い入れが深くて、いろんな気持ちがこもった・・・

で、本当に参加してくれたミュージシャン、最高ですよね。演奏も。本当に素晴らしい音で。これをね、盛り上げてくれたスタッフの皆も本当に一生懸命やってくださってですね、本当に嬉しかったです。

で、あの・・・もう一個、言うの忘れてた・・・(笑)・・・まだいける・・・ありがとう、玄ちゃん(ディレクター 石井玄)

えっとね。もっと、もっと大元のね、コンセプトっていうのが、もう一個あって・・・それは僕が『恋』と『Continues』という曲でやったことをもう一個進めたいなというのがあって。それはエキゾチカというジャンルがあるんですけど。それは僕が高校生のとき、細野さんのソロアルバム3枚、トロピカル三部作(「トロピカル・ダンディー」「泰安洋行」「はらいそ」)を聞いて、なんてすごい音楽なんだと・・・細野晴臣さんの音楽を聴いて。そこからMartin Dennyというね、この間の『Continues』のライブでも1曲目にやった「Firecracker」という曲とかはMartin Dennyという人の曲ですけど。

 

Martin Denny、Les Baxter、Arthur Lyman・・・そういう人たちのジャンル・・・エキゾチカというジャンルがあるんですけど。そういうジャンルをですね、ポップスにできないかと・・・そういうふうにして作ったのが、『恋』という曲だったんです。そして『Continues』という曲だったんですけど、それをもっと押し進めて、エキゾを日本のど真ん中で・・・それこそ高校生のときから僕がやりたかったことをやるのだという・・・日本の真ん中でやるのだという、そういうアイデアもですね、根底にはあります。いわゆるエキゾチカ・・・で、僕がずっとやりたかった銅鑼をバーンッ!!て鳴らすっていうのをやりました。

というので、多分、全部ほぼ話せているのではないでしょうか!

いやー・・・・・・話したね。すみませんね、話ばっかりで。ね。これはこのままCMに行く感じですか?うん・・・このままエンディングに行く!(笑)あはははははは(笑)じゃあ、ミュージックビデオは再来週だね。それまで皆さん、1万回ぐらい見ておいてください。いろんな、本当にいろんな見どころがありますから。聞いてくれてありがとう。

 

(10分以上のCM明け)

はい、星野源のオールナイトニッポン、エンディングのお時間でございます、ね。長いCM、聞いていただき、ありがとうございました。これ、初めてじゃない?ここまで連続でね(笑)ほぼツーブロックみたいな・・・2時間で(笑)いやぁ面白かったです。

(中略)

ミュージックビデオの話をホントはね、するつもりでしたけど、できなかったね・・・。一個だけするとしたら・・・いつも、僕、真ん中にトレイラー入れてるじゃないですか、初回版DVDの。今回、なんでないのかっていうのは、DVDがないからっていう(笑)、単純な理由なんですけど。あと宣伝することがないって言うのと、あとね、2番はね、聞いてほしいなっていうのが今回あって。違う形で音源と差別化を図れないかなということで、ミュージックビデオの中で弾き語りを生でやってるんですよ、生歌で。なので、弾き語りに移るときの時間を、わざとしっかり距離を作って、そこまで歩いていって弾くっていう時間を作れば、音源で本当の流れで聞くのとはまた違う感じになるので、そういうところで、ちゃんと買ってくれた人との差別化をしっかり図れるのでないかということで、そういうふうにしました。なので、音源を聴いてくれる人は是非じっくり音源を聞いていただいて、なんか、こう、いわゆるライブ感をちょっと楽しみたい方はミュージックビデオを見ていただければと思います。さぁそんな感じで・・・1通読めるかな。

(メール紹介。)

ありがとうございます!いやぁ嬉しいですね。うん。なんか、こんな感じで、おげんさんもね、ほぼ40分かけて話しました(笑)。そういうこともなかなかないんで・・・楽曲『アイデア』に関しても、じっくり話させていただきました。ありがとうございました。

みなさん、ぜひ、買ってくれた方はじっくり聴いて下さい。そして、まだ買ってないという方はね・・・

(ささやくように、エコー付きで)ぜひ、買っていいんですよぉ。どこでも買っていいんですよぉ。あと、人にあげてもいいんですよぉ。メールで送りつけていいんですよぉ。

ね。(笑)本当に個人的には3曲分を1曲に込めたというような感じもありますし、自分の人生をですね、バァーって映したっていう感じはすごくあるので、この楽曲をもって、『アイデア』という楽曲をもってですね、ものすごく未来に顔が向いて、これからの、今の自分がやりたいことをですね、後ろ髪を引かれずにやれるなという気持ちになっております。なので、これからの星野源も何卒よろしくお願いします。そして『アイデア』、ミュージックビデオ、よろしくお願いします。何度も見ていただいて、そして再来週にまたメールをください。たくさん待っております。 gen@allnightnippon.com まで。ね。皆さんのホントにたくさんの感想、ありがとうございました。たくさん、これから読みたいと思います。みなさん、最後までありがとう。星野源でした。また再来週!

 

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