シングル「Family Song」のMVの解説について 2017年7月18日『星野源のオールナイトニッポン』書き起こしをしました。
こちらを読んだ上で、このMVの解説を読むと、話が繋がっていて、より分かりやすいと思います。
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シングル「Family Song」の歌詞の解説について 2017年7月18日『星野源のオールナイトニッポン』書き起こし
星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』2017年7月18日(火)深夜放送のシングル ...
さて・・・どっから話そうか。
ミュージックビデオ、観た?みんな、ねぇ。
観てない人がいると思うんで、じゃあ、この話終わった後に、良かったら見てみていただけたらと思うんですけど・・・見どころが多すぎるんですよね笑
概要を説明するとですね・・・
えーっと・・・何て説明したらいいんだろう笑
あはは笑、分かんねえなぁ。
どう説明したらいいの?笑
これ、言葉で説明するの・・・先週1週間お休みで、特別番組のためお休みだったので、先々週お話しましたけれども。
ヤバいミュージックビデオができましたよという話をしましたけれども。
まず、僕がお母さんだったり。
ドラムのカースケさんという方がね、おばあちゃんだったり。
そして、小林創さんというピアニストの方が子どもだったりね、息子だったり。
そして、ギターの長岡亮(長岡亮介)ちゃんが娘だったりね。
そして、ホントに友情出演というか、スペシャルゲストで高畑充希ちゃんが僕のお父さん役をやっていただいたり。
そして、さらにスペシャルゲストに藤井隆さんが娘役をやっていただいたりですね。
あれ、どこかで見たことあるぞというような・・・笑*どこかで見た風景
\おげんさん一家大集合!/
豪華すぎる家族の記念写真をパチリ。今日はみんな、番組を見てくれてありがとう!!「とーっても楽しかった」って人はリツイートでおしえてね~ ( C・> #おげんさん #星野源 #高畑充希 #宮野真守 #藤井隆 #細野晴臣 pic.twitter.com/CLrQVdd5s5— おげんさんちのねずみ~(C・> (@nhk_ogensan) 2017年5月4日
えーっと・・・なぜ、こうなったのか。笑
いろんな・・・ホントにいろんな人から僕も連絡をもらって。
すごいねー!ていう。
でしょー!!みたいな。笑
ほんとにね、最高のミュージックビデオができたんですけど。
今回の「Family Song」、なぜ、こういうミュージックビデオができたかというとですとね、単に奇をてらったという訳では実は全然なくって、すごく楽曲に紐付いてるんですね、全ての要素が。
それをちょっと一応お話したほうがいいかなぁなんて思って、今日ちょっとお話させていただきたいんですけど。まず、この「Family Song」って曲なんですけど、そもそも・・・
アップテンポではなくて、で、かつ、バラードでもないんですよね。
でも、どうしても、いわゆる日本の音楽業界というか・・・リスナーも含め、そして、メディアの人も含め、ちょっとゆったりしてると、もう何かバラードってどうしても紹介してしまったりとかね、メディアの人が。
そして、受け取る人も、『あ、バラードなんだ、何かちゃんと聴かなきゃ』みたいな・・・『感動しなきゃ』みたいな・・・そういうのがあるような気がして。
もっと、音楽って、いろんな物差しといか・・・
アップテンポとバラードの間に本当にいろんな種類の音楽があるんだと個人的には思っていて。
テンポだけにしても。速い遅いの中に関して言っても。なので、この「Family Song」って曲は聞いてもらうときに『さあ!どうぞ泣いて下さい!』みたいな曲では全然ないということなんですね。なので、楽しいミュージックビデオにしたかったんです。
で、あと、僕が歌っている姿っていうものの中に、リズムを感じるような体の動きを入れたかったんですよね。
なので、観てる人の体がちょっと動いてしまうような・・・
この「Family Song」って曲は、ものすごくビートとかリズムにこだわって作ったので、そういうところも目で感じて、観てる時にちょっと、こう・・・楽しくなってしまうような・・・
で、その中で、いろんな楽曲の味わいみたいなものを伝えられたらいいなぁと思って・・・
まず、感動的なとか、あとはこう・・・・・・何だろう・・・しっとりとしたストーリー性のあるものをやってはいけないのではないかなーと僕が思ったというところですね。で、その中で、まず、やりたかったのは、ピンクの色。
CDジャケット、背景がピンクなんですけど。*ジャケット写真
ピンク色の中で、いわゆる、こういう家族というものが、お母さんだったりとか、お父さんだったりとかいうものがいるっていうミュージックビデオにしたいなというアイディアがありまして。
で、それを監督の関(関和亮)さん。関さんにお伝えして、こうやりたいんです。
で、アートディレクションは吉田ユニちゃんでお願いしたいんですということだった。それはお願いして。
あとは、もう、お二人の素晴らしいディレクション、ホント素晴らしいディレクションの下ですね、ミュージックビデオ撮影がおこなわれまして。何でそうしたかったというと、先々週もお話しましたけれども・・・
この曲っていうのは、いわゆる今までの家族像を歌っているわけではなくて、これからの家族像を歌いたいなぁと思って作った曲です。
なので、たとえば、両親が医学的な性別では男性同士だったり、その両親の元に子どもがいるという、そういうような家庭だったり。
そういうのがどんどん増えていく。で、この日本でも、もちろん増えていくと思うんですね。
それが、これからの普通の家族っていうものの風景になっていくのではないかな。
いろんな種類の家族ていうものがこれから普通になっていくんじゃないかなと思っていて。
それを表すのに、皆が演じている・・・そのミュージシャンも含め演じている家族の役割というのが、年齢も性別もみんなグチャグチャなんですよね。
で、その中で、もしかしたら、いわゆる、こういう・・・その・・・一発でいうとサザエさんなんですけど笑
そのサザエさん的な風景の中で、性別がグチャグチャであるというものの未来も、もしかしたらあるかもしれない。
で、そういうのも含め、家族っていうものがどんどんどんどん多様化していく中で、っていうもののコンセプト、曲のコンセプトっていうものを、まず映像としても示したかった、というのがあります。なので、たとえばペットとか。一緒に暮らしているペットも家族だし。
えー・・・あとは何だ、友達とかね。仕事仲間ってのも、ファミリーっていう言い方もするし。
だから先々週言いましたけれども、血がつながっていなくても家族って思っていいんじゃないか。
その中に相手を『本っ当に幸せであれ』っていう気持ちとか、『無事であってくれ』と思うような気持ちがあれば家族なんじゃないか。
もっと言うと、血がつながっていても家族って思わなくていいんじゃないのかなっていう・・・
で、そういう・・・ホントにその中に愛情というものとかがあれば、それでいいんじゃないのかなというようなことを歌いたいなと思って楽曲を作ったんですけど。そういうものの中で言うと、あんなに家族的な楽しさが・・・
何か、すごくあたたかい気持ちになる楽しい映像なんですけど、やっぱり全員他人なんです。笑
あれ、もう、どう考えても他人なんですよ。
でも、そういうこと関係なく、何か多幸感みたいなのがあるじゃないですか、あのミュージックビデオ。
そういうのも生まれるんじゃないかなというのもあります。そして・・・
曲の・・・何度もこれも言ってますけど、1960年代末から70年代初頭のソウル・ミュージックっていうものを現代の日本にJ-POPとして表現したかったというのは、この楽曲の話で何度もしてますけれども。
で、昔の楽曲をモチーフにするということ、イコール、ノスタルジックにどうしてもなってしまうんですけど、あの頃に戻りたいではないではないですよね。
今の音楽をやっぱり作りたい。今の家族というものをテーマにするんだったら、今のこれからの家族をテーマにしたいということで。
いわゆるサザエさん的な風貌をした皆さんが・・・
俺たちのファミリー観とか、俺たちのソウルってサザエさんだろうなって思うんですよね。
今回のミュージックビデオで思うのはそのソウル・ミュージックというものをコンセプトにしたときに、たとえばモータウン的な映像っていうものを模して、モータウンの人たちがやっていたようなステージ的なものをそのまま持ってきたりとか、服装とかも真似て、たとえばVHS 3倍速みたいな、あの3倍で録画したみたいな映像の劣化させるみたいなのをやっちゃうと1番ダメなんですよね。
それをやると過去しか見てないことになってしまうので・・・
そういう・・・その中で、外国ではなく、俺達の・・・俺、日本で育って、ずっと、ちっちゃい頃から家族ってものは何か何となく漠然とあのイメージだったいう、そのサザエさんってものをモチーフにしてるんだけど、今、日本で1番最先端を走ってる"吉田ユニ"っていうアートディレクターが作る世界の中に、その"家族"というものを入れることによって、今という・・・過去をリスペクトした今というものをできれば表現したかったというのもあります。で、しかも、あのセット、滅茶苦茶スゴイじゃないですか。
あれ、ちゃんと全部建て込んでますからね。CGは1個もないですよ。
あれで使ってない家具というか・・・食器とか、滅茶苦茶いっぱいある・・・あるよね。
すっごいんですよ、手間が!
ホントにあの、縁側の土のところに出てくる雑草みたいなのも、全部ピンクで。すっごいこだわりなんですよ。
あれ、ちゃんと建て込んでるんで。
ホントにすごいの。感動したんですけど。で、もっと言うと。
僕がさっき言ってた60年代末、70年代頭のソウル・ミュージックというものを今に表現したいって言いましたけど、サザエさんなんですけど、サザエさんのアニメの放映年は1969年なんですよ。もうドンピシャなんですよね。
で、そのテーマソングであるあの、サザエさんって曲。筒美京平さんが作った曲を改めて聴くと、完全にソウルとモータウンの影響を受けてるんですよ。同時代性があるんですよね、そこに。
ということは、僕が聞いてた、あの"お魚くわえた野良猫"〔ママ〕のあの曲って、拍子は日本人的に頭で取ってる感じに直してるんですけど、確実にアレンジはモータウンの影響を受けてるんですよ。
ってことは、俺たち日本人が、そもそも、モータウンの影響を日常として摂取してて、俺たちの空間の中に、もうブラック・ミュージックがあるんだということを、すごく思ったんですよね。
それってすごい面白いなっていうか・・・っていうことは、このミュージックビデオって全然奇をてらってないんです。
実はすごく真っ当な作りをしていて。で、かつ、俺も見たかったし、多分皆ももう1回見たかったんじゃないかなという、あのどこかで見た笑、あの風景・・・
そして、今回、ドラマの主題歌(日テレ「過保護のカホコ」)である、ドラマの主演の高畑充希ちゃん、もう1回出ていただきたい。
そして、やはり藤井さんともう1回仕事したい、みたいな。笑
藤井さん、ホントこれだけのために来てくれたんですけど。
ホントに素晴らしい・・・で、あのいっしょに、みんな、ホント家族感というか、ファミリーだと自分が思っているところが画面にも出てて・・・
そういういろんなことが全て繋がるアイディアがアレだったという、そういうミュージックビデオになっております。
ぜひ、みなさん。
ホントにもう・・・すごい楽しく作ったし・・・何ていうのかな、ゾクゾクしながら作りました。笑
曲もゾクゾクしながら作ったけど、ミュージックビデオもホントにゾクゾクしながら作ったし、皆も何かそんな表情してたんですよね、制作過程で。これ、ヤバイの作ってるなという。
で、なんで、そういうの含めて、ぜひ、星野源オフィシャルチャンネル、「Family Song」アップされましたんで、ぜひ観ていただきたいと思っております。
それでは聴いて下さい。
8/16 リリースのニューシングルでございます。
「Family Song」
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シングル「Family Song」の歌詞の解説について 2017年7月18日『星野源のオールナイトニッポン』書き起こし
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